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2014年 09月 17日
今日も、コンクリートを打ち砕く音がキャンパスに響いていた。中庭の舗装や植栽枡の撤去のためだ。撤去が終わったところは、順次黒いアスファルト舗装となる。ベンチはこんなにたくさんあったのかと思うほど、ひとところにまとめられている。べろんと広がった土のスペースの外周には、品のない緑色の土嚢が積まれている。
やれやれ、こんな状態で新学期を迎えるのか。 大学に来るのが嫌になる。 早稲田の大久保キャンパス(正式名称は西早稲田キャンパス)の改修工事は、最終的なデザインが未決のまま、ともかく夏休み中に工事をしないといけない、という理由から、どんどん破壊されている。 夏休みは大学の施設の維持管理工事が毎年大わらわで行われる。だから、仮囲いが巡った時も、配管類の工事であろうと思っていた。しかしそれが植栽枡が無くなり、真っ黒いアスファルトが出現した時に、驚愕した。 9月6日に思わずツィートしたのは、以下の文言。 年月を経て味わいのあったレンガを引っぺがし、今では作れないような丁寧な型枠で作られたベンチを破壊し、建築と呼応したグリッドを葬り、もっとも安価な黒アスファルト舗装に、無神経で暴力的な斜めの動線。 心の底から怒りが湧く ばらばらっと、リツィートが走った。 先ずは事情をご存知でありそうな先生がたにメール。「知らない。」という返事。しかし、あちらこちらへと連絡していただき、翌々日頃には、どうやら現状は仮設の仕上げらしいということが間接的にわかってきた。 そして、さらに、縦割り組織のたらい回しのようなやり取りがあって、ようやっと、大学における担当部署の方の説明を9月8日にいただいた。 ・ 2年前から中庭改修計画はあった。路面の傷みや植生の繁茂による見通しの悪さ等が理由。 ・「デザインといえばこの先生に相談」ということになっている建築の古谷先生が原案を作成。 ・その後、建物の耐震工事に入り、2年が過ぎる。 ・ようやく、建物の工事が終わったので、2014年と2015年で中庭の改修に着手。 ・Waseda Vision 150にもある女子学生のエンカレッジという方針から、「理工ガールズ」に古谷案を示した上で彼女達の意見も把握。 ・これらを踏まえコンサルタントが実施設計案を作成し、古谷先生に相談。いろいろ難点があり、現在案の検討中。 ・しかし、工事は間に合わないので、夏休み中に現状撤去。仮復旧で授業期間を過ごし、冬や春の休みに工事を進めていく。 ・改修工事については、主任会で工事をすることを説明。しかし、どのようなデザインになるか等は、説明していない。工事による迷惑の了解を得る、という意味での説明。なお、別途、記念植樹された樹木があるかは、以前に尋ねている。 ・学生への周知には看板を立てようかと考えている。 以上が、中庭改修工事に関して私が得た説明の概略である。 悲しい。 理由は大きく二つ。 中庭というものが、どれほど学生や教職員にとって大切なものであるかを、リアルに想像し得ていない。「環境」が意識的、無意識的に与える人々への影響を、深く考えていない。一番のユーザーである学生達に、何の説明もない。夏休みが終わって大学に来て、あの光景を見たら、どれほどショックを受けるだろうか。そういった想像力がない。 過去の(もう壊されてしまったので現在のではなく、過去の)デザインに蓄積されてきた時間と記憶へのリスペクトがない。グリッドを継承する、というデザイン上の継承制ではなく、最終案が決まっていないにも関わらず壊してしまう、という決断は、なんと恐ろしいことだろう。その恐ろしさに気づいているのだろうか。 住民参加がとにもかくにも前提となっている公共空間の整備と比べて、なんとまあ、お粗末なプロセスであろうか。 最初にわき上がった怒りは、プロセスを知るとともに、深い深い悲しみになっている。(Yoh)
by yoh-lab
| 2014-09-17 21:18
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